前回記事のPi Zero WとPiカメラ用超小型ケースを使い、赤外線LEDライトを使ったWiFi対応暗視カメラ監視システムを作ってみました。
また、カメラシステム化にあたって、超小型ケースに取り付ける幾つかのオプションパーツも用意しました。
いつもの様に3Dプリント用のSTLデータも公開しておりますので、ご興味ある方は是非お試しあれ。
前回記事のPi Zero WとPiカメラ用超小型ケースをまだ御覧頂いていない方は、コチラ↓もどうぞ。
前回記事の続きとして、今回はこの超小型ケース向けに幾つかのオプションパーツを作っています。 ライバル?である財団公式Pi Zeroケースにも使える様にしましたので、財団公式Pi Zeroケース派や公式Piカメラ派の方も是非見て行ってください。
昨年書いたコチラ↓のカメラシステムより、使い勝手もかなり向上しております♪
昨年記事から流れてこられた方も是非見てやってください。
最初に仕上がり具合をご紹介しておきますね♪
超小型ケースに、3脚マウント&赤外線リングライトオプションを装着した状態。
財団公式ケースに、3脚マウント&赤外線リングライトオプションを装着した状態。
エエ感じに仕上がっております♪
尚、3Dプリント用データのダウンロードリンクは最後の方にありま~す。
ということで、最後の方までご覧くださいませ。m(__)m
オプションその1: ケースホルダー
ケースホルダーとスタンドの組み立て
組み立てには、M3×15のナベ小ネジ、M3ナットを必要とします。
ネジ・ナットは、ホームセンターなどで調達して下さい。
ホルダー部分に超小型ケースを差し込み、合体させます。 microSD部分の爪に注意してください。
なので、カメラ3脚がそのまま使えます。
スタンド部品は、3脚穴のあるタイプだけでなく、木ねじなどで壁固定出来るタイプも用意しました。
木ねじはM3径くらいが丁度良いでしょう。長さは止める相手の素材次第ですが、システム一式でもとても軽いので、L10くらいでも十分だと思います。(写真はM3×L10の木ねじ)
壁や柱へダイレクトに固定されたい場合に活用ください♪
元々は前回記事で作ったオリジナル超小型ケース用だったのですが、財団公式ケースと公式Piカメラをお持ちの方向けに、財団公式ケース版も作ってみました。
ホルダー部品以外は、超小型ケース版と全て共通部品です。
オプションその2: 赤外線リングライトカバー
対応している赤外線LEDリングライト
秋月電子で売られている光センサ付赤外線LEDリングライトを装着出来る様にするカバーも用意しました。
対応しているリングライトは下記3種です。※ケーブル出しの為ハンダ付け作業が必要となります。
赤外線波長850nmの小型タイプ
赤外線波長850nmの大型タイプ
赤外線波長940nmの大型タイプ
3タイプどれにするかは、お好みに合わせて・・・としか言えないのですが、使ってみた印象としては、940nm域の感度は互換Piカメラより公式Piカメラv2の方が良い・・・かな?
一応、後半で(ザックリですが)比較した画像を紹介していますので、参考にして下さい。
尚、赤外線LEDリングライトの電源としてACアダプタも必要です。 私は下記を使ってます。
組み合わせるDCジャック
あ、そうそう、これらの赤外線LEDを使った暗視システムにする場合は、カメラモジュールは当然赤外線フィルターの無い「NoIR」タイプでないと意味がありません。
公式PiカメラモジュールV2 NoIR
超小型互換Piカメラ NoIR
間違えて通常版カメラを買っても真っ暗な画像を見るだけなので、ご注意を!
赤外線リングライトの改造(電源線出し)
バシラー精神を発揮して、つい3タイプ買ってしまいました。(^^;)
どのタイプも裏面に白い電源コネクタ(写真の赤丸のトコ)があります。(写真は小型タイプ)
この電源コネクタが非常に裏面が嵩張るので、このままだとPiカメラシステムに取り付け出来ません。
よって、大英断!! 半田ごてを使って取り外します。
表側のチョビっと出てる部分(写真の赤丸のトコ)から半田ごてで温めつつズボッとひっこ抜きましょう。
ハンダ除去作業は、こういう便利道具があると楽です。
気が付くと増えてく工作の道具♪ でも便利なんで良いのです♪
うまく行けばこんな感じ(写真赤丸)で取れます。 (写真は大型タイプ)
裏返して、電源線をハンダ付けする箇所(写真赤丸)を確認します。
シルク印刷の電源+を確認し、極性を間違えない様に電源線をハンダ付けします。
そのままDCジャックもハンダ付けしちゃいましょう!
3つ出来た!!(写真はお遊びでLED光拡散キャップを被せてます♪)
何処かとショートしてないか確認し、ACアダプタと繋いで通電確認しましょう。
部屋を暗くすれば、赤外線LEDが薄く赤く光るのが見えると思います。
見えない場合は、出来るだけLEDの正面の角度から見てみてください。 特に940nmのヤツは真正面くらいでもかなり微かな光しか見えません。
配線に問題なければ、下記写真の様にホットメルト(グルーガン)等でしっかりと固定させましょう。
この配線固定の作業では、出来るだけ基板から厚く出っ張らない様に気を付けましょう。 目安は厚さ3mmまでです。
当然ですが、足やハンダの突起に押し付け過ぎてショートしない様にも気を付けましょう。
赤外線LEDリングライトカバーの組み立て
関係部品を一式並べます。(写真は小型タイプですが、大型タイプも基本的に組み立て方は同じです)
下カバーに赤外線LEDリングライトを載せます。 中央の穴はしっかり入れて下さい。
続いて、LED光がカメラへ回り込まない様にするカバーを奥まで差し込みます。
もし、クリア素材なフィラメントをお持ちじゃない場合は、この部品は無しにして拡散キャップを被せてみるのもアリです。 見てくれは悪いかも知れませんが十分使えると思います。
あ、光センサ(CdS)には拡散キャップを被せ無い様にね。(^^;)
大型タイプでは、光の回り込みを防ぐカバーに、光センサ(CdS)を避ける穴が開いています。(写真赤丸)
赤外線LEDリングライトの光センサ(CdS)はこの部品です。(写真赤丸)
この穴が合う様に組み立てて下さい。 こんな感じ↓になります。
赤外線LEDリングライトの使い方
ホルダー部品と赤外線LEDリングライトカバーの裏側に溝が噛み合う様に嵌めて下さい。
正面から見るとこんな感じになります。 ケラレが出ない様、レンズが中央になる位置に微調整しましょう。
プリントバラつきによっては緩く出来てしまった場合は、0.2mm厚くらいの薄い両面テープで強制的にケースと固定させちゃいましょう。
財団公式Pi Zeroケースの場合だとこんな感じになります。
財団公式ケースは、普通に組んでもカメラモジュールが傾いて付く場合があります。(詳しくはコチラ)
カメラモジュールが傾いてしまうとケラレが発生しますので、コチラでご紹介している改良パーツを使って対策しておいてください。
尚、既にお分かりだと思いますが、これらの赤外線LEDリングライトは光センサ(CdS)付なので、Pi Zeroからの制御は全く必要無く、暗くなると自動点灯します。(逆に制御したいという人は別途工夫してみて下さい)
光量が足りない場合は、もっと明るい自動点灯式赤外線投光器を用意してみるのも良いかも知れません。
色々な商品がある様なので、使い易そうなモノをチョイスしてみてください。
補足:赤外線LEDの見え方について
人間の目は結構感度良くて、赤外線LEDの明かりが見えてしまいます。
カメラの感度は人の目とは違うので、写真だとイメージにしかなりませんが、赤外線波長850nmのLEDでこんな感じ↓に見える筈です。
カメラ(Lumix G6)の感度が良過ぎて薄暗がりの背景まで見えてしまってますが、そこはお目こぼしを。。(;^ω^)
これが、赤外線波長940nmのLEDだと殆ど見えなくなります。 半透明カバーを外してれば、真正面で微かな光が見えるくらいで、カバー越しだとまず見えません。
(個人的には)LEDの光が常に見えるのは被写体にとってもストレスだと思いますので、カメラの感度が良ければ、赤外線波長940nmのLEDを使いたいところです。
監視システム用ソフトウェアの準備
以前の記事ではMJPG-Streamerを使ってましたが、このブログでRPi-Cam-Web-Interfaceという全部お膳立てされた素晴らしいソフトウェアが存在することを知りました。
低フレームレートで高機能とか、素晴らしい!!
ということで、今回はRPi-Cam-Web-Interfaceを使うことにします。
(RPi-Cam-Web-Interfaceがどういうソフトウェアかは、先程のブログにとても詳しく載っておりますので、ここでは触れません)
っと、事前に、最新RaspbianでWiFi接続出来るところまでセットアップしておきましょう。
Pi Zero Wの内蔵WiFiを使われる場合は、コチラ↓のOctoPrintセットアップ前までが参考になります。
Pi Zero rev1.3で5GHzなGW-450Dをお使いな方は、コチラ↓を参考にして下さい。
以降は、Pi ZeroがWiFi接続出来ており、SSHでPCから接続した前提で話を進めます。
RPi-Cam-Web-Interfaceのインストール
公式のインストールガイドに従い作業を進めますが、念のため事前のアップデートは掛けておきましょう。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get -y dist-upgrade
下記コマンドで、githubからコードをクローンしてインストールします。
$ sudo apt-get install git $ git clone https://github.com/silvanmelchior/RPi_Cam_Web_Interface.git $ cd RPi_Cam_Web_Interface $ ./install.sh
暫くすると、自動で下記の様なキャラクタGUI?なインストーラーが起動しますので、好みに合わせて選択し、Tabキーで「了解」を選択します。
OKすると、諸々関係ソフトのインストールや設定が行われますので、暫し待ちましょう。
続いて、もう一度キャラクタGUI?が立ち上がり、オートスタートするか聞かれますので、OKとします。(オートスタートしない方法が良い方は公式のインストールガイドを参照して下さい)
これで完了です。SSH接続を抜けておきましょう。
以降は再起動すれば自動でRPi-Cam-Web-Interfaceが立ち上がります。
RPi-Cam-Web-Interfaceの使い方
デフォルト設定でインストールした場合は、同一ネットワークのPCブラウザで「http://ラズパイIPアドレス/html」にアクセスすると、直ぐに下記の様なストリーミング映像が表示されます。
カメラの画角最大にしたいので、カメラセッティングよりLoad PresetでMax View 4:3を選択し、OKを押します。
これで最大画角になりました。
ちなみに、シャットダウンやリブートはSystemメニューから可能です。
カメラの映像だけを見たい場合は、「http://ラズパイIPアドレス/html/min.php」にアクセスすればカメラ画像だけになります。
サンプル画像
撮影環境
下記の様な配置で、おおよそ被写体まで30cm程度の距離で撮影してみました。
三脚穴があるので、既存のカメラ機材が使えて便利ですね♪(自画自賛w)
互換PiカメラのNoIRタイプ
照明無し(デスクサイドに機器LEDが若干あるので完全な暗闇ではありません)
公式Piカメラv2のNoIRタイプ
照明無し(デスクサイドに機器LEDが若干あるので完全な暗闇ではありません)
公式Piカメラv2と超小型互換Piカメラを比較してみた所感
・公式Piカメラv2は画質が良い。 解像感も高く、広角なので撮影範囲が広く撮れる。
・赤外線波長940nmのLEDリングライト環境下では、公式の方が感度が良い印象。
・でも、互換Piカメラでも十分実用範囲!!
ダウンロードリンク
今回ご紹介しているオプションパーツの3Dデータ(STLファイル)はコチラ↓に置きました。
3Dプリント時の注意点と併せてご参照ください。
以下、本記事で紹介した商品のリンク
公式PiカメラモジュールV2 NoIR
超小型互換Piカメラ NoIR
はんだシュッ太郎NEO 45Wタイプ
グルーガン(ホットメルト)
赤外線LEDライト
コメント
小ネタ的な話。
赤外線の点灯確認って見難く判別難しいですよね。
そんな時はスマホのカメラで見てみるのも手です。
スマホのCCDはたいていの場合、赤外線も撮影できるので、白く(赤くないw)光っているのがわかります。
これは赤外線リモコン等も同じで、押下中は点滅しているのがわかります。
見えない光ですが、出力がない訳でもないので、直視よりは幾分いいかな?と老婆心ながら。
失礼しました