目次
遂に、この日がやってきました。
DMM.makeの3Dプリントサービスを初利用!!
「見せて貰おうか、DMM.makeの3Dプリントサービスの性能とやらを」
・・・ということで、家庭用のBS01+改と比べてどれくらいプリント品質が良くなるのか比較してみたというお話。
でも、まずは前置きから。
3Dプリンタはまだまだ一般に普及してない
周りを見渡してみて、実際に3Dプリンタを持ってる人は殆ど居ないという現実があり、3Dプリンタの普及はまだまだ進んでいない様に感じております。
私が3Dプリンタを導入してから2年程経ちますが、Makerのマニア層は持ってるけど、まだ一般の方が買うには至ってない様で・・・。
確かに、紙のプリンタと違って、データさえあれば誰でも必ずプリント成功する・・・様な簡単・便利なツールではないんですよね~。
精度を出したり形状再現性を高めたプリントをするには、結構ノウハウが必要で、ちょっと敷居の高いツールであることは否めません。
じゃあ、3Dプリンタを買わなくても、造形品を入手する手段は他に無いのか?となると・・・
FabCafeなどのFab施設だとどうなの?
ホームセンターやFabCafeなどのFab施設で3Dプリンタを時間貸ししてくれるところもあり、それらを使うのも一つの手段なのですが、利用料とは別に固定会費が掛かるのが一般的な上、想像よりも時間が掛かったり(利用料がかさむ)、スタッフの習熟度が低くて、やってはみたモノの残念なプリント品質になってしまったり、と色々問題が多いのが現実です。(場所にも依ると思いますので、全てがそうとか限りませんが)
3Dプリンタを持ってて自分でデータ作ったことがある人なら判ると思いますが、ぶっつけ本番でジャストミートのモノは出来ないです。(苦笑)
特に、コンマmm単位で特に現物に併せる場合とかは、3Dプリンタの個体バラつきも考慮しないといけないので、まず1回でOKは出ないでしょう。
予約して利用することが多いFab施設ですが、微調整の再プリントで予約を繰り返すのは気が遠くなります。
業者に造形依頼するとどうなの?
個人向けでプリント業務を請け負う業者さんは何社か存在してて、お金を積めばプリントをしてくれますが、ちょっと大きいサイズをプリントしようとすると結構な金額になってしまいます。
例えば、本サイトで公開しているラズパイケースだと4千円近い見積もりでした。
巷に大量生産でお安く買えるモノが溢れているのに、そんな高いラズパイケースは要らないですよね??
DMM.makeの例だと、3Dプリントする造形物の最外形の容積で、金額が上がっていく仕組みになってます。(空間費というらしい)
他にも、材料費(高級素材を選べばその分高い)や、初期費用なども必要です。
色々積むと、一般の方からするとかなり割高に感じると思います。
それを現物合わせで数回試作することを考えると・・・幾ら掛かるのか怖くなってきます。
あ・・・誤解しないで欲しいので、念のため書いておきますが、自分がプリント請負することを考えると、各社の料金は十分に割安だと思っております。
知人とかで、どういうつもりか私にプリント依頼をしてくる人に「DMM.makeでもプリントして貰えるよ」と伝えると、見積金額を見て、いつの間にか”無かったこと”になります。(笑)
というか、断る方便としてDMM.makeさんを利用している訳では無くて、本当に凄くリソース食われるので、DMM.makeと同じ金額を払うと言われても、人の造形物を気軽に請け負う気にはならないのです。(勿論、金額を出すと言ってくる真剣な人の場合は、ちゃんと対応しますが・・・)
要は、一般の方々からするとコストイメージに大きな乖離があるので、実は3Dプリントはまだそんなに簡単じゃないんだよという話ですね。
だから、みんな3Dプリンタ買おうよ
そういう訳で、そんなサービスに数千円から1万・2万円使うくらいなら、ぶっちゃけ、とっとと3Dプリンタ買って自分で何度も試行錯誤出来た方がよっぽど効率的だと思うのですよ。
だから、みんな3Dプリンタ買いましょ。
今はまだ早いとか言ってないでさ。
あ、話が終わってしまう。(笑)
DMM.makeのクリエイターズマーケットってのがあるよ
で、のっけからdisったDMM.makeですが、実はクリエイターズマーケットという「データを入稿しておけばDMM.makeがプリントしてお客さんに届けてくれる」というクリエイター向けには大変有難いサービスがあったりします。
で、先日、「GPD WIN」というUMPC神機の背面コネクタカバーを3Dプリンタで作った話を呟いたところ、クリエイターズマーケットに出品するなら是非買いたいと、とても嬉しいコメントを頂戴しました。
@norifumi5001 GDP WINユーザーですが、出品されたらぜひ購入させていただきたいです!
— TETSU100% (@TETSUnoTAMACY) January 30, 2017
今回のモノは金額的にもお手頃で済みそうですし、皆さんに割高感を与えずに済みそう。
ただ、DMM.makeの3Dプリントサービスを一度も利用したことが無かったので、まずは自分で一度プリント依頼してみて、具合良ければ出品してみようと思った次第。
DMM.makeの3Dプリントサービスを利用してみた
という事で、早速、DMM.make 3D PRINTにお試しプリントを発注。
初めての依頼なのでDMM.makeの出力品質が予想出来ないこともあり、2パターン造形依頼しました。
材料は最安でもそこそこ強度のあるのナイロンをチョイス。
発注したのが月曜の夕方で、火曜の夕方には造形開始連絡があり、土曜の夕方に発送準備完了の連絡、んで、この日曜に佐川急便さんが届けてくれました。
今回は、お金掛を惜しんでエクスプレス対応オプションは付けませんでしたが、通常便でも1週間でプリント品が届いたことになります。(毎回同じかは分かりません)
送料取られませんでしたが、結構大きな箱で届きました。(左はGPD WIN)
発送伝票見ると石川県から送られてます。 DMM.makeの3Dプリント事業部は石川なんですねぇ。
箱を開けると、梱包材で包まれたブツが!! (発注番号が書いてあったので中央マスクしてます)
うん、イイ感じじゃん~♪
個人向け3Dプリンタ「BS01+」改の出力結果と比較
今回、DMM.makeに2パターンも依頼したのには理由があります。
まずは、右の白い方(以降、Aパターン)ですが、今回の部品はヒンジ部分が非常に細かいので、造形太りでヒンジが埋まってフラップが稼働しなくならない様に、安全策で3パーツバラバラで造形させてあります。
ただ、最外形の容積は増えるので価格が割高になりますし、組み立て時にヒンジを折ってしまう可能性も残ります。(組み立て時の力加減が難しい)
続いて、左の黒い方(以降、Bパターン)ですが、実はコチラが本命。
ただ、完成形でそのままプリントしてるので、造形太りでヒンジの軸が埋まってフラップが稼働しなくなる懸念があります。
この手の細かい形状だとよくある失敗なのですが、一応、ウチのBS01+改では大丈夫でした。
でも、DMM.makeさんの造形実力が分かりませんので、もしかするとダメかもしれない。
一度、試してみないと分からない という事です。
では、それぞれ、BS01+改で造形したモノと比較してみましょう。
ちなみに、BS01+改はその名の通り、BS01+へ色々改造を施した機体です。(BS01+の改造内容については追々書いていく予定)
「見せて貰おうか、DMM.makeの3Dプリントサービスの性能とやらを」(しつこいってw)
まずは裏面側から。 左からBS01+改、Bパターン、Aパターン。
BS01+改版。 フィラメントは明成化学の3D Prinster白(ABS)です。
こちらはDMM.makeのナイロン(ブラック)のBパターン。
ナイロンだけにもっと滑らかな質感を想像してましたが、実際は石膏みたいな質感でした。
こちらはDMM.makeのナイロン(ナチュラル)のAパターン。
ナチュラルというかホワイトですね。 石膏みたいな質感はブラックと同じ。
BS01+改では、この面を底面にしてプリントしてますので、残念ながら、文字はちょっと破綻してます。 HDMIのDとか・・・。
対して、Bパターンのナイロン(ブラック)は文字が破たんしてません。 さすが業務用!!さすがDMM.make!!
Aパターンのナイロン(ナチュラル)も文字の破たんはありません。
ヒンジ部分もとても綺麗に造形されてます。 サポート痕が見当たらないので、サポート無しで造形してるのかな??
ちなみに、DMM.makeでは、複数パーツを纏めてプリントさせてくれません。
よって、プラモデルの様に小さい棒(ランナーって言うんだっけ?)で繋いで、見かけ上一つの部品にして造形依頼してあります。
なので、使用時はこの棒の切り離しが必要になります。
切り離しには、プラモデル用のデザインナイフとニッパーを使いました。
ナイロンなので、ある程度硬さと弾力があり、こんな感じでしなります。
このしなりを利用して、小さいフラップを取り付けます。 折れそうで力加減が難しい。
組んでみて分かりましたが、ヒンジに隙間が大きくてフラップが緩すぎです。
残念ながら、このAパターンは失敗みたい。(´・ω・`)ショボーン
微妙にヒンジを太らせれば良いのですが、逆にフラップを嵌めにくくもなるし、そうなるとヒンジが折れるリスクも大きくなりますので、悩ましいところです。
取り敢えず、GPD WINに仮にハメてみました。 位置はバッチリ合います。
続いて、本命Bパターンのブラック。
心配していたヒンジ軸の固着は無かったのですが、フラップとフレームに一部固着がありました。(下記写真の赤丸部分)
下記写真の赤い線の部分(ヒンジの隙間)をカッターでそっと差し込む様になぞると、剥げる程度の浅い引っ付きです。
逆に剥離さえ出来れば、隙間がゼロになるのでヒンジに程よい抵抗を残せることになり具合は良くなります。これは良い感じかも?
残念ながら、剥離した箇所は白くなります。(写真はフラップを開いた状態です)
尚、中央ヒンジ部(写真赤丸)の固着を剥がすのに苦労しましたので、マーケットに出品するデータはココのクリアランスだけは広めに修正してあります。
一番心配していたヒンジの軸部分の固着は無く、軸の回転に支障は有りません。
一部固着が有りましたが、BS01+改でも一体造形だと同様の固着はありましたので、このBパターンは成功と言えるでしょう。
むしろ、剥離部分が程良く抵抗となり、ヒンジの動きはこのBパターンの方がしっかりしていて、安心感があります。
剥離作業が必要な分、ちょっと注意しないといけませんが、これならマーケットへの出品もアリかなぁ?
まとめ
・DMM.makeの3Dプリントサービスは噂通り良い仕上がりだった。
・でも、個人向けBS01+改もそんなに負けてない。(文字刻印は負けましたが、それ以外は同等と言いたい)
・今回のはクリエイターズマーケットに出品します。
・みんな3Dプリンタ買いましょう!
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[…] この人はガジェットの蓋をナイロンで作ったみたい。強度もあるとのこと。 https://kitto-yakudatsu.com/archives/3253 […]